思うこと Vol.1
「あるお宅に植木屋の仕事で行ったんです。そこにね、うちの親方がその前の年に刈った綺麗な梅の木があるんです。ほんまに綺麗でね。その日のお昼の弁当はその梅の木見ながら縁側に腰掛けて食べたんですけどこれがまた一段と美味しく感じましたね。」
…
今の話を聞いて。どれくらい状況を頭で想像されましたか?
たぶんいろいろ考えてもらえたと思うんですけど。実際のところその日は雨でした。だから縁側に座らしてもらったんですね。もちろん陽の光も出てませんでした。それでいて梅の木は綺麗でしたよ。見事な赤色で。
んで僕が言いたいのは、その時頭に浮かんだ各々の画がたぶん人が思う代表的な「綺麗」やと思うんです。
んでそのみんなが想像してくれた画はまぁ人によってなんですけど。「色」が主なんじゃないかなあ〜って思うんですね。
さっきの話やと僕は一切、色の話はしてないんですね。
でもたぶん皆さんの頭の中では梅の木を知ってる人は自分が思う綺麗な梅の木をそして「木」という自然物が綺麗という事柄から晴天、まぁ晴れを想像してもらったんじゃないかなぁーって思うんですね。
そうなると風景画で考えた時、もう画面の大まかな色の構図は決まってきますよね。
中央もしくは左右どちらかに寄った暖色の梅の木が一本もしくは数本あって少しの雲を残す青い空が画面上部分に広がる。梅の木があるということで必然的に土の地面もあるんですかね。画面下に。
そうなるとものの「形」ってのは人が「絵」を見るには二の次なのかなーっと思ったわけです。
だから進級の作品は「色」に重点を置いて形を、言い方は悪いですが疎かにしています。
一種の挑戦です。
「中くらいの花瓶と一輪挿しと灰皿」
油彩
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